ふたり

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ふたり

 恒の大学時代は健康なサッカー少年もとい青年だったのだが、社会人になってから体調を崩すことが多くなっていた。  倒れた日は土曜日だったので仕事はないが、デートの約束があった。 「こうちゃん、連絡全然ないけどだいじょぶ?」 「ねぇねぇ」 「土曜13時からだよね、渋谷で(*´∀`)」 「いつものところで待ってるからね!」  すべて「saki」からだった。さっき来たメッセージは4件だったが、それ以前にもメッセージは連なっている。こんな流れで体調不良とドタキャンを彼女に伝えるのは憂鬱だった。それでも伝えるしかない。 「紗希、ごめん。風邪引いてしんどいから今日のデート、無しにしてもらえませんか」  引くほど早い既読。 「えっ!!風邪????」 「大丈夫......じゃないよね(*_*;」 「会えるの楽しみにしてたのに~(。>д<)」 「じゃあさ、看病に行くよ!」 「食べたいものとかある?作るよ(^^)d」 「今から行くね~」  恒の気持ちとしては一人でゆっくり休養したいところだったが、ドタキャンした手前もあり無下に断れない。
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