10.Happy Birthday !!!

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 声が唸るように低く響く。 「外で話し合おうじゃないか」  すげぇ勢いで出てった男はこっちを振り向きもしなかった。たとえどっかの通りで出会っても、声なんかかけて来ないと思う。 「リッキー」 「なに?」 「どんな顔、あいつに見せたの?」 「え?」 「どんな顔?」  ヤバい、怒ってる? 「俺、何もしてねぇよ。お前を待ってただけだよ」  嫉妬に狂った目で見てるフェルに、怖いのと、ゾクゾクするのと。 「お前に恥じることしてねぇから。お前が戻んの遅かったら俺が蹴り上げてる」  俺のメラメラしてる目にフェルの怒りが治まっていく。 「ごめん。僕のリッキーだもんな。お前に迫ってるアイツを見たらカッとなっちゃったんだ」 「こんなとこで暴力沙汰は御免だかんな」 「悪かったよ、リッキー」  手を差し出すからそれを握って立ち上がった。ほっぺにキスもらったから俺は頷いて許してやった。 「少し散歩しようか」  当たり前のように差し出してくる腕に、俺も当たり前のように自分の腕を預ける。  外に出るんならちょっと寒いんじゃねぇか? って思った。だってこの季節の川のそば。コートも着ねぇで外に出たらアッチまでガチガチになっちまう。あ、ガッチガチってのは寒くてってことだ、決して寒さに感じちまうわけじゃねぇ。  けど、外じゃなくって、エレベーターを上がって一番上にある展望台につれて行かれた。     
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