溺れていたい…

14/15
30人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
それから数日後、先輩は姉に連れられて家にまで来た。 二階の姉の部屋でずっと籠っている。 私の部屋は姉の部屋の隣だけれど、私は母の居るリビングに逃げ込んだ。 母はずっと先輩の話を笑顔でしている。 でも自分の部屋にいるよりマシだ。 だって隣の部屋で姉と先輩は手を繋ぎあっているかも知れない。 指を絡ませて甘い言葉を囁いているかもしれない。 キスしてるかも、しれない……。 苦しい…… 辛い…… 胸が張り裂けそう…… こんな気持ちを抱いていても、報われないことは分かっている。 あの時、告白しておくべきだったかもしれない。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!