怖い夢

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僕は、大学で学ぶために地方から上京し、卒業後そのまま東京都内のIT系企業に就職した平凡な会社員だ。 入社した時、最初の2ヵ月間は新入社員研修を受けるが、この時一緒に入社した菜摘と拓也とは仲が良く、会社帰りに一緒に飲みに行ったり、休日にテーマパークに遊びに行ったりしていた。 僕は、菜摘の事が気になる存在だったが、菜摘が拓也と話す姿はとても楽しそうで、菜摘はきっと拓也の事が好きなのだろうと想像していた。 新入社員研修が終わってからそれぞれ別々の部署に配属となったが、僕たちはお互いに連絡を取り合って3人での付き合いは続いていた。 僕にとって菜摘と拓也と一緒に過ごす時間は楽しくて、会社でのいやな出来事を忘れさせてくれる貴重な時間になっていた。 しかし反面、菜摘と拓也が楽しそうに話をしている姿を見ると、僕が2人の関係を邪魔しているのではないかと思うこともあった。 僕は、いつか2人の前から身を引こうと考えていた。 ある週末の金曜日、僕は菜摘と拓也と一緒に飲みに行く約束をしていたけれど、拓也から急な仕事で残業になると連絡が入り、菜摘と僕の2人きりで飲みに行くことになった。 菜摘は、いつものように笑顔だったけれど、今日の僕は何となくいつもより緊張していた。 僕は、今日菜摘と2人だけになったことは何かの運命で、今日菜摘に拓也とのことを話してみようと考えていた。 菜摘と僕は、個室の居酒屋に入って、まずはビールで乾杯した。
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