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私には気になっている人がいる。
どんな?と聞き返されてしまえば非常に困るのだけれど、確実に言えることはその人がとても綺麗で魅力的だということだ。髪は長くてつやつやのキューティクルだし、まつ毛は長くて目は大きい。まさに完璧な美少女といえた。
同姓としての妬みや羨望よりも、唯々ため息を吐いてその美貌に酔いしれるばかりだ。
話し掛けてみようとしたことは何度もある。だけどそのたびに、気恥ずかしさから一歩前に進むことを躊躇ってしまう。そんな自分をもどかしく思うけれど、まあ一目惚れなんてそんなものだろう。
私は今日も何食わぬ顔をして彼女を見る。
猫目の彼女は今日も凛とした雰囲気をその身に纏わせていた。
私の視線に何かしらの反応をするでもなく、ただじっと前を見つめている。そこには生命力なんて感じられない。
人形みたいな綺麗さとでも言えばいいのだろうか。そこには人間の持つ歪みなんてものはなく、完璧を表したかのような美しさを感じるのだ。
その美しく整った美しい瞳が、美しさを感じさせる雰囲気を纏わせながらどこか一点を見つめている。
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