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……そんなはずはない。丸太のような形をしたそれは、先が5本に枝分かれしている。見覚えがあった。おそらく誰もが見慣れている。いや、誰もがそれを持っている。
「うああああああああ!!」
腕だ。体から切断されているが、龍馬の腕だろう。俺は腰を抜かしながらも後ずさりし、頭と背中を壁に打ち付ける。その衝撃か、はたまた恐怖心からか。頭の中は混乱状態だ。何があった誰がやった?龍馬は生きてるのか?もしかしたらまだこの近くにーー
「ガチャン!!」
下の階からの大きな音ではっと我に返る。おそらく玄関を開ける音だ。ーーまさか、龍馬をやった奴か?まずい。身を守らなければ。俺は咄嗟に近くのプラスチックの棒を手に取る。普通の人間ならこんなもので対抗できる訳がないが、俺にはあの力がある。こんな玩具みたいな棒でも鬼に金棒だ。
ミシミシと階段を上がる音が聞こえる。やはりこの部屋に向かっているのか。入り口の陰に隠れて敵を待ち受ける。相手がこの部屋に入ってきた瞬間、この能力を使って相手の頭をかち割ってやる。
足音が大きくなり、止んだ。どうやら部屋の前で止まったようだ。俺は息を潜め、身構える。そして次の瞬間、再び足音が聞こえ始め、部屋に人の影が現れる。エネルギーを棒に集中させた。その力の効果は、俺の持っている部分で感じ取てる。そして、その人影が前へ進み、部屋の中に入ってきたその時。
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