第1記

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一階に降りると開かずの部屋の扉が開いていた。扉の向こうはさらに下につながる階段が物々しい雰囲気で居座っていた。下を覗いても光は見えない。おそらくかなり深くまで続いているのだろう。俺は入りたい気持ちを抑え外に出た。片岡さんが5分後と言ってから約3分。時間厳守の人だから後2分で出てくるはずだ。さっきも使った外にある鉄の棒を手に取り、試しに目の前の木を貫いた。鉄の棒を抜けば穴は塞がっている。問題なく力は使えているようだ。玄関の扉が開く音と共に、片岡さんが姿を現した。腰に木刀をさし、背中に背負ったリュックからは銃口のようなモノがはみ出していた。 「待たせたな。それじゃあ向かうぞ。」 そういうと片岡さんは俺を横切り森の中へ入っていった。 「向かうって言っても……この広い森の何処を探すんですか?」 外の空気を吸って落ち着いたが、普通に考えればこの広大な森において龍馬を探すのは砂漠で特定の砂一粒を探すようなモノだ。不可能とは言わないが並大抵のことではない。 「
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