第1記

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片岡さんは隣町で肉などを売買して稼いでいるらしい。隣町といっても歩いて1時間かかる森を抜けなくてはならない。当人曰く森を抜ける間に売る物を集めてるらしい。春菜は山を下った所にある友達の家に入り浸っている。行けば大抵泊まってくるので片岡さんも心配してないようだ。それに森を通る訳でもないので心配するような事はほとんどないとか。 「ご馳走さま。取り敢えず晩飯はまた杉谷頼むわ。俺料理できねえし」 「ああいいよ。今日も森の中探索するから適当に狩ってくるわ。」 「お前も飽きないねえ~。あんな虫だらけの森がそんな魅力的か?」 「まあ、そんな所だ。」 変わった奴だ。と言わんばかりの表情で相槌を打つと、龍馬は2階に戻って行った。 「相変わらず飯食うのが早いな。そういや森行くなら一緒に出るか?」 「いや、片付けとか俺やるんで片岡さん達先出ていいですよ。俺今食べ始めたばっかだし。」 「マジで?杉谷いい奴だね~」 まだ一口しか食べてない俺の飯に対して、2人はほとんど食べ終わっていた。それに俺が森でやってる事を他人に見せたくはなかった。
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