第1記

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俺は何度もこの能力を試し、この能力がどんなモノか最近になってようやく理解した。この能力は俺の身体に、もしくは俺に触れるモノに、エネルギーを集中させ、そのエネルギーを俺の思い通りにすることができる。例えば先ほどのように拳にエネルギーを集中させ、俺が拳を鉄をも凌ぐ強度になるよう想像すれば、俺の拳は強固な木を貫く鉄以上の拳になる。また、俺が穴の空いた木に触れ、その穴を修復するように想像しエネルギーを集中させれば、その穴は修復されていく。 この能力がどういう原理なのか、一体なぜ俺がこの能力を扱えるのか。記憶がない俺には分からない。何度もこの能力を試してはいるが、記憶が戻る気配は全くなかった。まあ記憶が戻ったところでこの能力の正体が分かるとも限らないと思っている。だが片岡さんが俺を拾ってくれた時こんな事を言っていた。 「才能とか、人と違うモノを持ってる奴はよくいる。もちろんそれが全て良いものだとは限らないがな。だが他人の持っていないという事は、それを使って何かを成し遂げる使命があると俺は思っている。お前も記憶がないのなら、もしかしたらその記憶を呼び起こす使命があるのかもしれないな。」     
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