第1記

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身体が人一倍大きいのを活かし、狩りを積極的に行う片岡さんが言うからこそ、その言葉には説得力があった。片岡さんは俺の記憶についてしか言っていないが、俺のこの能力を知れば同じことを言うだろう。だから俺はこの力をいつでも使いこなせるよう、日々こうやって鍛錬をしている。いつかこの力を使う時が近いと信じて。だが、その時は俺が思ってる以上にすぐ目の前まで迫っていた。この時奥の茂みから俺を見る視線に気づいていれば、このあと起こる出来事を、あの惨劇を、変えることができたのかもしれない。
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