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幼い字で書かれた手紙。
つたない御礼の言葉は、どんな美辞麗句より温かくて。この上なく温かくて。
「お前は、その子のことを好きだったのだな」
ポツリと結月が言うと、大和は真っ赤になって目を見開いた。
「え? あ……いや……それは……確かにめっちゃ可愛かったけど……」
ちらりと結月は横目で大和の顔を伺う。
「あ……はは……」
乾いた笑い声をたてる大和の顔は耳まで赤くなっていた。
「……参った。降参」
まだ真っ赤な顔のまま、大和は本当に降参したと言ったふうに両手をあげた。
「まったくもってその通り。それが俺の初恋ってやつだ」
「そうか」
ふわりと結月が笑った。
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