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林道さんが鈴を鳴らすと、光の階段がその場にできた。
しっかりした足取りで、お婆さんが降りてきた。
あのお姿は、確かにオヤジさんのお母さんだ。
「か、母ちゃん!」
『おやまあ、タケシ。なんだい、そんなに泣いて。』
「お、俺・・小さい時からずっと母ちゃんに迷惑ばっかりかけてて・・店の物盗んだり、高校になったらタバコ吸ったりしてさ。
でも、母ちゃんはこんな俺でもずっと見ててくれて、支えてくれてたんだ。
俺を、こんな俺を。産んでくれてありがとう。母ちゃん。」
オヤジさんが、すがりついて泣いている。
『そんなこと言うために、わざわざ呼び出してくれたのかい?
母ちゃん、嬉しいよ。』
「母ちゃん、俺さ。・・母ちゃん死ぬとき、泣くしか出来なくてごめん。お礼の1つでも言いたかったのに・・
何も言えず、ずっと後悔してた。」
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