3 表情が欲しい

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「・・・・」 美味しいのに、何も言えない。 うまく表現できない。 表情も変えられない。 そんな私が、一番嫌いだ。 「サトシっち、ミキっち美味し過ぎて言葉出ないってさ。」 「光栄でございます。」 タクさんの言葉に、安原さんは頭を下げる。 「表情が欲しいです。それが無理なら、どんなに辛いときでも笑えるようになりたい。」 気がついたら口にしていた。 「では、その紅茶をどうぞ。あなた様の願いは笑えるようになること。 ご安心を。それを飲めば願いは叶います。」 私は紅茶を飲んだ。
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