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「・・・・」
美味しいのに、何も言えない。
うまく表現できない。
表情も変えられない。
そんな私が、一番嫌いだ。
「サトシっち、ミキっち美味し過ぎて言葉出ないってさ。」
「光栄でございます。」
タクさんの言葉に、安原さんは頭を下げる。
「表情が欲しいです。それが無理なら、どんなに辛いときでも笑えるようになりたい。」
気がついたら口にしていた。
「では、その紅茶をどうぞ。あなた様の願いは笑えるようになること。
ご安心を。それを飲めば願いは叶います。」
私は紅茶を飲んだ。
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