31 痩せたい 2

18/20
前へ
/2280ページ
次へ
「嫌な仕事だよ、本当にさ。 ・・キヨミっち、今回はサービスだからね。」 赤い大きなハサミを出した俺っちが言うと、彼女は涙を流した。 「・・・・。」 それから、もうひとつしなきゃいけないことは。 「コウイッチ、あっち行ってて。」 「えー?」 「いいから。」 「はいー。」 俺っち、こっそり後で食べようと思って持って来てたんだけど。 キヨミっちに、あげるよ。 「はい、コウイッチが作ったチョコレートケーキの欠片。」 口に入れると、弱々しく彼女は食べた。 「ぉい・・じィ」 「良かったね、キヨミっち。 最後の食事が、好きな人の作ったものでさ。」 そんな涙で濡れた顔。 見るのツライよ、俺っち。
/2280ページ

最初のコメントを投稿しよう!

467人が本棚に入れています
本棚に追加