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「嫌な仕事だよ、本当にさ。
・・キヨミっち、今回はサービスだからね。」
赤い大きなハサミを出した俺っちが言うと、彼女は涙を流した。
「・・・・。」
それから、もうひとつしなきゃいけないことは。
「コウイッチ、あっち行ってて。」
「えー?」
「いいから。」
「はいー。」
俺っち、こっそり後で食べようと思って持って来てたんだけど。
キヨミっちに、あげるよ。
「はい、コウイッチが作ったチョコレートケーキの欠片。」
口に入れると、弱々しく彼女は食べた。
「ぉい・・じィ」
「良かったね、キヨミっち。
最後の食事が、好きな人の作ったものでさ。」
そんな涙で濡れた顔。
見るのツライよ、俺っち。
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