5 画家になりたい

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「夢が叶い、よかったですね。それではあなた様より「代償」を頂きます。」 頭の中で、響く声。 「あ。」 気が付いた。 今描いていたタクさんの絵が、なくなったことに。 それから、もう1つなくなっているものがあることに気が付いた。 数年後。 「この素晴らしい作品を書かれた北村先生に、盛大な拍手を。」 パチパチパチパチ! お父さん、見てる? 私、画家になったよ。 お父さんと一緒に。 安原は、棚から本を取り出し開く。 そこには車椅子の女性が、トロフィーをもらっている姿が映る。作品の名前は「私のお父さん」だった。 「ありがとうね、サトシっち♪ いや、安原さん。」 「天国に戻る前に、娘さんと話したい。 あなた様の願いでしたね。北村貴史様。」
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