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「夢が叶い、よかったですね。それではあなた様より「代償」を頂きます。」
頭の中で、響く声。
「あ。」
気が付いた。
今描いていたタクさんの絵が、なくなったことに。
それから、もう1つなくなっているものがあることに気が付いた。
数年後。
「この素晴らしい作品を書かれた北村先生に、盛大な拍手を。」
パチパチパチパチ!
お父さん、見てる?
私、画家になったよ。
お父さんと一緒に。
安原は、棚から本を取り出し開く。
そこには車椅子の女性が、トロフィーをもらっている姿が映る。作品の名前は「私のお父さん」だった。
「ありがとうね、サトシっち♪
いや、安原さん。」
「天国に戻る前に、娘さんと話したい。
あなた様の願いでしたね。北村貴史様。」
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