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花瓶の花の花言葉
それにしても誰もいない。会議室?。そう思ったと同時に、場面は会議室へ。直前まで一緒に働いた面々が、眉間にしわを寄せてホワイトボードを見つめている。ボードには、
ひまわり→「私はあなただけを見つめる」
ばら→「あなたを愛してます」
桜→「精神の美」「優美な女性」
花言葉を書き並べている。新商品のネーミング?。俺の仕事の予定には無かったタスク。ということは、死後2週間以上は立っているのではないだろうか?。死後2週間から1ヶ月。だいぶ絞れてきた。
事件だとしたら、この面々のだれかに俺は殺された…なんてこともあるのだろうか?想像もつかない。仕事上のトラブルはない。前に言ったように二人分の仕事はしていた。そのはず。強いて言えば会議は苦手。どうも、会議中に他のことを考えていて、さされた時にすぐに状況がつかめないことが良くある。
詳しくいうと、会議中の単語から連想する癖があるのだ。ようは妄想癖だ。例えば、ホワイトボードに「ひまわり」とあると、「夏の花だなー、商品のイメージを明確にできるけど、季節を制限することにもなるなぁ」などと考えているうちに、次のテーマに議事が進んでいるという具合。だから、アイディアを拡散させるブレストは得意。しか
し、議事進行に合わせて、意見を出すことは苦手なのだ。
そんな、欠点が原因で恨みを買うことがあるのだろうか?考えにくい。では、俺が死んで得する奴がこの中にいるだろうか?出世のライバルといえば、今、前に立って会議を進行している山崎。どうだろう、タイプは全く異なるが、課長職を争うとなると奴がライバルだろう。俺のように二人分働くようなガムシャラさはないが、仕事をまとめるのが上手い。奴が俺を妬むはずはない。奴の仕事のやり方は俺の方が羨むくらいだ。今のように、ホワイトボードを前にして会議を進めるのも上手いものだ。板書も綺麗で早い。
カーネーション→「無垢で深い愛」
コスモス→「乙女の真心」「調和」「謙虚」
カンナ→「情熱」「快活」「永遠」「妄想」
カンナ?あまり聞かない花だなぁ。カンナ…「妄想」かぁ。
いつの間にか、俺の魂の目線の高さが、仲間と同じになっていた。
そして、みんなの視線が俺に…
俺の死因は…
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