第1話 丘と森と

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コリスのことを考えながら朝食の準備をしていると、兄さんと姉さんが起きて来た。 朝食当番以外は早起きしなくていいから、週二日の当番以外は楽できる。 朝食を並べていると、兄さんが席について私の料理を褒めてくれた。 「今日は気合いが入っているね、ネルファ。美味しそうだよ」 すると、姉さんが茶々を入れて来る。 「ネルファのことだから、どうせコリスのこと考えていたんでしょ。あんた分かりやすいから」 姉さんのいいように、私は思わずカッとなった。 「コリスのこと考えて何が悪いの? 姉さんだっていつも公子様のことばかりでしょ! 追いかけ回されたとかしつこいとか。あーごちそうさまです!」 「ごちそうさまって、あんたね、あんなストーカーの何がいいのよ!」 姉さんもカーッとなって言い返して来た。 そこで私も負けじと、姉さんのまんざらでもない様子を告げようと口を開いた。 その時、兄さんが止めに入った。 穏やかな兄さんが、少し声を荒げる。 「二人とも、食べなさい!」 私も姉さんもビックリした。 兄さんが声を荒げたこともだけど、その内容にも。 だから、怒るのも忘れて、私たちは黙って食事の席についた。
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