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コリスのことを考えながら朝食の準備をしていると、兄さんと姉さんが起きて来た。
朝食当番以外は早起きしなくていいから、週二日の当番以外は楽できる。
朝食を並べていると、兄さんが席について私の料理を褒めてくれた。
「今日は気合いが入っているね、ネルファ。美味しそうだよ」
すると、姉さんが茶々を入れて来る。
「ネルファのことだから、どうせコリスのこと考えていたんでしょ。あんた分かりやすいから」
姉さんのいいように、私は思わずカッとなった。
「コリスのこと考えて何が悪いの? 姉さんだっていつも公子様のことばかりでしょ! 追いかけ回されたとかしつこいとか。あーごちそうさまです!」
「ごちそうさまって、あんたね、あんなストーカーの何がいいのよ!」
姉さんもカーッとなって言い返して来た。
そこで私も負けじと、姉さんのまんざらでもない様子を告げようと口を開いた。
その時、兄さんが止めに入った。
穏やかな兄さんが、少し声を荒げる。
「二人とも、食べなさい!」
私も姉さんもビックリした。
兄さんが声を荒げたこともだけど、その内容にも。
だから、怒るのも忘れて、私たちは黙って食事の席についた。
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