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食事が終わると、私も姉さんもなんとなく気まずいまま席を立った。
互いに相手の恋人とか、想ってくれている人とか、そういう人を馬鹿にしちゃいけないよな。
反省。
姉さんが同じ気持ちでいるのかはわからないけど、私だけでもちゃんと謝っておこう。
そう思って、私は姉さんの部屋のドアをノックした。すると姉さんはすぐ出て来た。
「あの、姉さん、私」
すぐに言葉が出てこない。
どもっていると、姉さんは困った顔をして私を部屋に入れてくれた。
姉さんの部屋は少し散らかっていた。いつもはこんなことないんだけど、武器や兵器、それに身を守る着衣なんかを調べる時には少し散らかる。
姉さん、何かあったのかな。
ためらいがちに部屋に入る私に、姉さんは笑いかけてくれた。
「あんたにはまだ話していなかったね」
姉さんは、そう行って私に話を始めた。
それは、私の知らない、姉さんと公子様との、ちょっとした良い話だった。
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