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兄さんは、やっぱりなんでも知ってる。
私のことも姉さんのことも。
私が兄さんから離れると、兄さんは私に微笑みかけてくれた。
「自動車は、そう簡単に扱える代物ではなさそうだ。それでもやるのかい?」
私は、頷いた。
すると兄さんは嬉しそうに笑って、私の背を押してくれた。
「ネルファ、恋をしたからと言って、そこに慈愛があるとは限らない。アッティーもそうだが、お前も、慈愛のある恋をしなさい」
今の私に、兄さんの言っていることは半分くらいしかわからなかった。慈愛ってなんだろう。ただの愛じゃダメなのかな。
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