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「優はお母さんと手作りするんだって」
「私は日曜日にデパートに買いに行こうかな~」
「初出展のお店もあるんでしょ?」
「私も行きたいなぁ」
色を塗るならピンク、オレンジ、イエロー。
音を乗せるなら、キラキラ、ピカピカ。
飛び交う会話に参加する道具を持たない私はひたすら床にこびりついた汚れに向き合う。
「遥ちゃんはあげないの?」
声の主の艶やかな髪の毛が、しゃがむ動作に波打つ。
私の瞳に映る女の子は同じ性別とは思えないくらいに可愛らしさを振り撒く。
彼女にとっては会話のキャッチボールを投げたつもりだろうが、私からすればドッジボールを投げられた心地だ。
「私は…」
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