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僕は立ち上がり、少女の腕を掴んだ。
「罰ってなんだよ。何が悪いんだ。」
自分の大声に驚き我に返った、手にこもった力に気付く。
「ごめん・・・。」
「座って。」
少女は何事もなかったように命じた。体の力が抜け、シートに座り込んだ。また同じ姿勢。視線はスクリーン。少女も隣の席に座った。
「あなたへ罰を与えることを決めたのは私ではないわ。決めたのは遥かに尊いお方。あなたは運悪くその方の怒りを買った。」
「僕が?」
「あなたが。」
心当たりはある。人間関係を拒絶したこと。人生で何もなさなかったこと。自殺したこと。どれも尊いお方は気に食わないだろうなと思う。しかし――
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