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僕は自分が死のうと思った理由を思い出そうとした。理由なんてあっただろうか。思い出せない。どうせ大した理由ではないだろう。何度か観たラストシーンでも特別な描写はなかったはずだ。
「思い出せないみたいね。」
「自分が死んだ理由も思い出せないなんて情けないよな。どうせくだらない理由なんだろう。」
自嘲気味に言った。少女は構わず続ける。
「そして、あなたには特別な罰を用意することになったの。くだらない理由に相応しい罰を。」
「それがこの罰か。自分の人生を繰り返し観続けるという。」
「そうよ。あなたは何度も自分の人生を追体験しなければならない。」
間違いなく僕にとっては最も厳しい罰だ。神様だかなんだか知らないが分かっておられる。しかし、この罰はいつまで続くのだろうか。
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