エンドロール

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 無表情な指摘。しかし、不思議な力をもった言葉。それはまるで呪いの言葉のように、僕の心の奥底に隠している後ろめたさを、誤魔化しきれない後悔を、容赦なくかき乱した。さっき少女と目が合った瞬間に差し込んだ微かな光は、早くも黒く塗りつぶされた。苦しい。吐き気がする。なぜもっと。なぜ――。  苦悩しうなだれる僕の耳元で少女は優しく囁いた。 「ごめんなさい。あなたを傷つけるのが私の役割なの。あなたを困惑させて。思い出したくない過ちをさらし、トラウマをえぐる。これは罰。だからね・・・もっと苦しんで。」 悪寒が走った。寒気がするのに全身から汗が止まら ない。少女は呪いの言葉を囁き続けた。 「あなたの“作品”をつまらなくしたのは、あなた自身のせい」
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