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ヨッチャンに応える 実々さんは薄いカフェオレのような肌をしています。
ママがフィリピンという国から来て、褐色の肌をしているからです。
パパは日本の人なので、娘の実々さんは濃い茶と黄色が混じって儚げな茶色なのです。
髪はセミロングの黒色です。
本当は大学に入るとき、茶色に染めるつもりでした。
でも直前で不安になって、お店の前でUターンしたのです。
「もうこの辺のはずなんだけど……」
腕時計を、つまり僕を見ながら実々さんはつぶやきます。
場所は大学から二駅行った住宅街に移っています。
実々さんは、家と大学の周り以外では土地勘がありません。
北陸から関東の方へ越してきて、まだ二年 しか経っていないので仕方ありません。
ちょっと方向音痴だったりするので、尚更仕方ありません。
実々さんは大学で宇宙科学という勉強をしています。
なんか難しいやつです。
実々さんは楽しそうに勉強してます。
将来はずっとそれの勉強をするか、それを人に伝える仕事がしたいようです。
あ、と実々さんが小さく口を開きました。
スマートフォンと表札の文字を見比べて、
「良かった」
と小さく微笑みました。
どうやら目的の家が見つかったようです。
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