終章:マグノリアと黄嶋と先生

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「ご、ごめんなさい、ごめんなさい、オトさん!」 貴彦はオトさんに駆け寄ると、抱き着いた。 ちゃんとお部屋まで行ったんだよと言う貴彦を、みんなが信じた。 「オトさん、わかったでしょ。たっくんのせいじゃないし、元々はオトさんの運動不足からだって。ということで、次回たっくんが帰ってきたら、オトさんが最初に一緒に寝る。代わりに、オトさんはそれまで毎日運動する。健康って大事だよね。あと、ノダさんにも診てもらおうよ。オトさんにとって一番最適な運動を現在のオトさんの体力から提案してもらうってどう?」 コメさんの提案に他の住人たちは「おおー」「それがいい」と口々に言い、次は最初に貴彦と一緒に眠れると聞いて喜んだのもつかの間、毎日運動するように言われてオトさんは「そ、そそ、そんなぁ~」とベソをかいた。 期間限定の運動だから、今回は頑張れたらしい。 「そうだのう、ノダさんあたりに早々に来てもらうとするか。」 「ああ、それもいいねえ。明日にでも来てもらおうか。」 定期健診を繰り上げるのはどうだと先生が言い出し、黄嶋が賛成したので、オトさんの顔はもっと情けなくなる。 「いやいや、オトさんだけじゃないわい。どうせなら、わしらも健康診断をしてもらえばいいわさ。コメさん、体重の方はキープできとるかね。シンさん、最近神経痛ですかねと言うとったがそれはノダさんに相談済みかの。」 やぶへびになり、顔色を変える住人たち。 「貴彦も、みんなが健康でいつまでも元気でいてくれた方がいいよねえ。」 「うん!」 黄嶋に言われて頷く貴彦に、住人たちの誰もが否とは言えなかった。
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