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「亜子ね、亜子ね、2年生になったからお小遣いが上がったのよ。」
亜子は相変わらずだ。
式が終わって移動するときにもおしゃべりが止まらない。
後ろの美穂は。それをにこにこと聞いている。
「なあ、知ってるか、貴彦。俺の父ちゃん、今度はドイツのチームに移籍したんだよ。だから、ゴールデンウィークにドイツに行ってくるんだ!」
父親がサッカー選手の竜大は、もう1ヶ月先の話をしている。
そんなことより、貴彦の勝負は午後だった。
学校は半日で終わる。
土日を挟んで入学式だけれど、今夜も明日も明後日も予定はぎっしりだった。
黄嶋と一緒にあちこち出かけては、息子として挨拶しなければならない。
『月曜日にはみんなに僕がお父さんの息子だって分かってるのかな。僕は別にみんなに言わないけど、お父さんはきっとバレるって言ってた。大人ってどこからそういうことを知るんだろう。』
新しい教科書をもらい、2年生になって1年生と違うことを先生から聞き、ほとんどの児童は下校となった。
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