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マグノリア・マナーに住むのは、管理人の先生と7人の住人、それと6才の男の子。
館のオーナーは、息子を館に預けたまま、忙しく働きに出ている。
海外にいることも多い黄嶋が、必ず館に戻ってくるのは早春。
木蓮が一斉に咲き出す時期だ。
毎年、その時期をあやまたず、大きな花弁を天に向かって誇らしげにさらす木蓮を、黄嶋は飽きることなく眺め、時おりその横に親友の先生が立っている。
そんな光景の見られるここは、マグノリア・マナー、『木蓮の館』。
ずっと続いてきた館の平穏な日々が、変化しようとしていた。
貴彦の小学校入学という、人生における一大イベントと同時に。
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