7年後の館

19/19
4897人が本棚に入れています
本棚に追加
/1025ページ
マグノリア・マナーに住むのは、管理人の先生と7人の住人、それと6才の男の子。 館のオーナーは、息子を館に預けたまま、忙しく働きに出ている。 海外にいることも多い黄嶋が、必ず館に戻ってくるのは早春。 木蓮が一斉に咲き出す時期だ。 毎年、その時期をあやまたず、大きな花弁を天に向かって誇らしげにさらす木蓮を、黄嶋は飽きることなく眺め、時おりその横に親友の先生が立っている。 そんな光景の見られるここは、マグノリア・マナー、『木蓮の館』。 ずっと続いてきた館の平穏な日々が、変化しようとしていた。 貴彦の小学校入学という、人生における一大イベントと同時に。 .
/1025ページ

最初のコメントを投稿しよう!