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調味料やスパイスの刺激を抑えた料理の方が大夢の口に合うとわかり、カリスマシェフである父親の料理人魂に火がついたのかもしれない。
これまで大夢が食べやすいようあえて食材の味を消すことに重きをおいてきたのが、今度は食材の味を生かした料理に変更である。
専業主婦で常に自宅にいる母親も、料理に時間をかけるようになったという。
「ただね、お料理してくれるのも嬉しいんだけど・・・」
もっと外に遊びにつれていってほしいなという大夢は、両親と過ごす時間が料理のせいで減ったと思っているのかもしれない。
しかし、これまでずっとインドアな生活をしてきた大夢が外に目を向けられるようになったのも、あの1週間があったからであり、食生活の改善も大きい。
「だったら、お母さんにお弁当を作ってもらって、遊びにいけばいいんじゃないかな。」
「お弁当。」
「うん、大夢くんのお母さんもお父さんに負けないくらいお料理上手みたいだし、お弁当も大夢くんだ食べられそうなものをたくさん入れてくれるんじゃないかなあ。」
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