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「ちっせぇなあ！ハワイとか北海道とか、近い近い！俺なんかイタリアだぜ！？」
教室中に響き渡る声がした。
竜大だった。
日焼けした竜大は、さらに逞しくなったようだった。
父親がサッカー選手で、現在イタリアのチームに所属している。
そこへ母親と共に行ってきた竜大は、こんな選手に会った、あの選手からボールにサインしてもらったと、周囲の男の子たちに自慢した。
亜子と似たようなタイプだが、竜大は男子からの受けがいい。
運動神経が抜群で、豪快なのだ。
自分が一番になることが何より大事で、誰にも負けたくないという気持ちが強い。
弱いものいじめをするタイプではないが、自分とは合わないと思う相手に話しかけることもしない。
運動会前は、大夢も相手にしてもらえなかった。
貴彦が作戦を立てて玉入れで成功できたことや、防災教育の一環での発表でリーダーとして発表できたことで、貴彦と大夢を友人と認めた。
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