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いわく、入学前から子供に楽器を習わせてきた親が、自分の子の演奏の場を学校に求めてくるのだそう。
自分の子にはそれだけの技術も実力もある、ソロをやらせろ、うちの子が演奏できる楽器のパートがある曲にしろ、などなど。
「うっわ、モンペかよ!」
うへえとヤクさんは顔をしかめ、いただけませんねえとモトさんは頭を振った。
「子供が小さいうちは親がの。成長すると、子供の方がこの楽器をやらせろ、自分はあれがいいと、主張がうるさいうるさい。」
「かといって、毎年保護者アンケートを取ると、音楽発表会はなくさないでほしいって言われるんだよねえ。」
理事である黄嶋は、その報告も受けているらしかった。
「発表は4クラス合同じゃろ?そうなると、習っておる楽器もかぶる。そうそう、自分が得意なものだけを演奏できるわけではない。なので、低学年のうちに担任はそれを子供らにきちんと教えて、協力や協調に重きをおくのだがなあ。」
子供自身、演奏技術が向上すれば自信が生まれ、それを発表したいという欲も出てくる。
習わせている親は、それ以上だ。
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