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オトさんの興奮ぶりと、先生と黄嶋のやりとりから、他の住人たちもどうやらどういうことか察した。
「おいおい、もしかしてその歌っての・・・」
ハナさんが、大袈裟なほど両腕を広げて信じられないという風に口を開いた。
それをシンさんが引き取る。
「オトさんが作った曲ですかい!?」
「えへへ~、そうなんですよ~。嬉しいなあ、たっくんが僕の歌を歌ってくれるなんて~!そ、そそ、そうなったらいいなあって思いながら作ったんですけどね~。きっと僕、今晩眠れませんよ~。」
いつもあまりよろしくない顔色が、すっかり赤みを帯びている。
オトさんは、自分の席を立って、貴彦の側に膝をついた。
「僕が伴奏しますから、ここにいる間に少し練習しましょうね~。たっくんの声だったら、絶対にあの歌は気持ちよく歌えますよ~。」
「・・・オトさんが作った歌・・・本当に?本当に本当に?えっ、えっ!?わあっ!!本当にそうなの!!すっごーい!!」
みんなより遅れて理解した貴彦も、顔を真っ赤にして叫んだ。
大好きなパパたちの一人のオトさんが作曲した歌を自分が学校で歌えるなんて、こんな嬉しいことがそうそうあるだろうか。
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