春の気配と貴彦

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よし、頑張るぞと張り切っていた貴彦だが。 「・・・僕、ダメだった・・・」 2日後、入学式の日に新1年生の前でお祝いの言葉や歓迎の歌、ダンスを披露するメンバーに、貴彦は選ばれなかった。 僕、そんなに歌が下手だっけーーそれともダンスがダメなのかなーー ショックを受ける貴彦に対し、前の席の大夢も呆然としていた。 「僕、選ばれちゃった・・・」 「本当!?」 大夢がそんな発表の役に立候補するなんて思ってもみなかった貴彦は、びっくりした。 「あ、あのね・・・貴彦くんと一緒だったらね、頑張れるかなって・・・やってみようかなって思って・・・」 大夢としては、かなり勇気を振り絞ったのだ。 きっと貴彦も希望を出すから、一緒だったら挑戦してみようかと。 結果、貴彦は落選し、大夢だけが当選した。
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