春の気配と貴彦

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どうしよう貴彦くんと相談されるが、貴彦は何となく返事がしづらく、僕もわからないと言って二人から離れた。 なんだか胸の中がもやもやぐるぐるして気持ち悪い。 どうして大夢くんは竜大くんに譲るなんて言ったんだろう、僕もやりたいのに。 ○をつけて出したのは大夢くんなんだから、出ればいいのに。 けど、今の僕、すっごく意地悪をしちゃったんじゃないかなあ。 相談されたのに、一緒に考えてあげないなんて、友達失格だよね。 自分より竜大を選んだ大夢に対して、怒りと嫉妬を覚えつつ、困っている大夢にそっけなくしてしまったことへの罪悪感で、貴彦はどうしていいのかわからなかった。 そして、もめている友人たちがもう一組。 「亜子が出られないのに!なんで美穂ちゃんだけ出るの!亜子も!亜子も出る!」 教室の後ろで、亜子が大声で怒っていた。 どうやら亜子も○をつけたのに落ちたらしい。 それに対し、美穂だけ選ばれたらしく、亜子の癇癪は収まらない。
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