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菅野にもう一度声を掛けて、先生は自分の部屋に入った。
夕食後、姿を見かけなかったハナさんは、もうとっくに夢の世界だ。
毎日早朝から造園に勤しむハナさんは、この季節除雪作業を担当している。
山奥にあるこの館の敷地は、天候にもよるが一晩で驚くほど雪が降り積もることがある。
また、たまに晴天になっても、簡単には融けきらないのだ。
だから、ハナさんは、門から玄関まで、玄関から庭の方々に延びている小道、その小道から外れる墓まで、こまめに雪を退けていくのだ。
早寝早起き、体を動かし、三食好き嫌いなくしっかり食べる。
この館で一番健康的な生活を送っているのは、ハナさんである。
だから、先生は夜の見回りでハナさんに会うことは滅多になかった。
自分の部屋で日課にしている簡単な備忘録をつけていると、ドアがノックされた。
先生の頬が緩む。
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