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「マジですか・・・やべえな・・・」
シンさんは、これまでの人生でレポートなど提出したことがほとんどない。
大人になってからは、当然一度もだ。
「や、シンさん、俺もやばいってとこは一緒だ。大体なあ、俺たちはいつもここにいるだろ。何が出来るかって言われてもなあ。」
たっくんの向こうの家にも花を植えるくらいしか思いつかないと、ハナさんも困っている。
そんな二人の苦労は、他の住人たちにも少なからずある様子で、余裕なのはコメさんと実はこっそり準備を進めていたヤクさんだった。
「まあ、いずれはこうなるだろうと思ってよ。あと、俺の専門はネットだかんな。タカと離れてても特に問題ねえし。」
さらりと言い放つヤクさんに、住人たちの恨みがましい視線が刺さる。
そして、コメさんと一晩一緒に寝た貴彦は、ご機嫌だった。
「あのね、あのね、あのね!コメさんがいろんな料理のお話してくれてね!僕がここにいる間のご飯に何を作ってくれるか一緒に相談してね!僕、お腹いっぱい食べる夢見たよ!」
「てことで、たっくんが滞在している間のメニュー、二人で決めたから。しばらくは誰のリクエストも受け付けないからね。」
ねー!と言いながらハイタッチする貴彦とコメさんに、住人たちが羨ましがったのは言うまでもない。
「胃袋を掴むと強いのう。」
その様子を眺めていた先生の感想に、黄嶋がうんうんと同意した。
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