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貴彦には、何やらパパたちが仕事で忙しいという認識しかない。
黄嶋は、住人たちから提出されたレポートに目を通しながらもご機嫌だ。
モトさんは、調子を上げている様子のオトさんが逆に張り切りすぎて貴彦と一緒に眠れない羽目にならないよう、見守ることにしたらしい。
頭を抱えるハナさんとシンさんには、それぞれレポート提出を終えたヤクさんとコメさんがついた。
「ハナさんがやれそうなことを思いついたんだがよ。」
「マジか!頼む、教えてくれ!」
縋りつかんばかりのハナさんだったが、自分から頼んでおきながら庭も気になってどうにも落ち着かない。
そわそわして集中できないハナさんにヤクさんは苦笑し、「俺がざっとまとめといてやるから、午前中は外に行ってくりゃいい。昼飯食ったら、そいつを検討しようぜ。」と提案した。
サンキュー!ヤクさん!と言うが早いか、庭に飛び出していくハナさんは、パソコンで打つにしても手書きにしても、やはりレポート作成には向かない。
同様に、体を動かしている方が100万倍ましと言い切れるシンさんは、厨房でコメさんを手伝いながら相談にのってもらう。
「俺ぁ基本、ここで敷地内をパトロールしてるだけですし。どうやって離れてるたっくんの警護の役に立てるってんですか。」
「そこなんだけど、シンさん、定期的に外出って形、取ったらどうかなあ。」
「定期的にですか。けど、時々たっくんの警護をするってのも変でしょうが。」
「いや、そうじゃなくってさ。」
あ、鍋、また使うから洗ったらそこね、などとシンさんに指示を出しながら、コメさんは自分が思いついた案を教えた。
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