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楽しくなり大きな瞳を輝かせる江。
ご愁傷様と目を閉じる朔也。
何で避けるのよ! と叫びながら花瓶を抱えて廊下に転がる先生に駆け寄る奈津実。
「先生! 大丈夫ですか!」
「江、あんな先生いたっけ?」
朔也にとっては初めて見る顔だった。
江はグーにした両手を口元に当て頬を染め答える。
「今月から来てる教育実習の服部和樹先生だよ! 22歳、独身、身長178センチ、体重61キロ、視力 右1.2 左1.0、足のサイズ 右」
「そこまで聞いてねーよ!」
話を遮られてもしょげることなく嬉々と江は続ける。
「ボク好みなんだー! 転がった姿もステキ!」
奈津実は花瓶を受け取り、申し訳ありませんと謝りながらキッと二人を睨みつける。
「服部先生、生徒会室に何かご用ですか?」
服部は腰を摩りながら立ち上がる。
「いや、用って程じゃないんだけど僕も生徒会長の経験があって懐かしくてね」
「そうでしたか。どうぞお入りください。今お茶でも淹れますから」
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