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「ねぇ~どうする? 朔也ぁ~」
生徒会室を追い出された二人はオカルト同好会の本拠地、屋上にいつも通り収まった。
フェンスにもたれかかり快晴の青を見上げて朔也は答える。
「ハレンチ事件て校内での不純異性交遊が増えてるってアレだろ? 『エッチはホテルで!』って張り紙でもしとけば? オレ、ヤル気なし」
江はしゃがみ込み朔也をマジマジと下からナメた目線で、ふ~んと意地悪に言う。
「ボクは良いんだよ。同好会になれなくても。楽しめれば自称で十分だもん。誰かさんみたいに好きな女の子に正面きってアタックする勇気がなくて、同好会発足にかこつけて近づき、あわよくば仲間にしようなんて思惑はないからね~」
チクチクと図星をさされ、だって、だってと涙を浮かべる朔也。
「かっわいい~!」
二カッと極上な笑みを浮かべて江は勢いよく立ち上がる。
「会長頑固だもん。解決しないと本当に口も聞いてもらえないかもよ!」
江はそのままの勢いで校舎に飛び込み、階段の手摺にまたがって滑り台のように降りた。
朔也は条件反射で後を追う。
いつものことだ。
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