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Prologue - I'm not straight
昔々あるところに、優しい少年の心を持ったティラノサウルスのロボットがいました。《絶滅動物園》で働く彼はいつも子供たちに囲まれて、仲間の恐竜と一緒に大昔の地球のことを語って聞かせていました。彼にとってそれはとても幸せな時間で、いつか自分が壊れる時までずっと続いてほしいと思っていました。
ある日、彼のいる国が隣の国へ戦争を仕掛けました。彼のいる動物園も間もなく閉鎖となり、飼われている動物たちは次々に殺されていきます。恐竜たちの番になった時、やってきたえらい人が意外な言葉を口にしたのです。「君達のボディは最高の素材であるハイチタニウムで出来ている。兵器として戦場に行くならばこの場での解体は免じてやろう」とその人は言いました。仲間の恐竜たちは誰かを殺すのが嫌だったので解体を選びましたが、彼だけは改造される方を選びました。自分が消えてなくなることが彼は一番怖かったのです。
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