forming 第1章

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大人になればなるほど、素直に表現できない。見栄や安いプライドが、気持ちを抑制してしまう。ある意味、経験からくる自己防衛なのだろうが…。 ただ黙々と仕事をこなす日々。 一時の忙しさからは、解放され仕事も落ち着いた感じ。段々と冬に向けての準備を始める仕事先の人達。人も畑も賑やかさを失っていき始めた。 そんな落ち着きが出始めた時。 訃報が… 仕事先の大事な顧客であり、自分に釣りを教えてくれ、公私共に仲良くさせて貰ってた農家の三代目。 その三代目のお父さんが、事故に遭い亡くなってしまった。 三代目は自分と歳は、あまり変わらない。 その父親が亡くなると言う事は、自分の父親を亡くす事の様なもの。自分の父親もそれなりに歳は取ってはいるが、いざ失うまでは想像できない。 まだまだ元気で、三代目に仕事を教えながら現役でバリバリ働いていたのに。 三代目、大丈夫かな? 早速、会社から手伝いに行く様に言われ急いで三代目の所へ。 お通夜や告別式は、まだ後になる様なので急ぎの手伝いは無かった。 意外に三代目は、落ち着いていた。 「わるいね、マコちゃんまで手伝いに来てくれて。」 「この度は、何て言ったらいいか… 突然で…」 三代目のお父さんにも、良くしてもらってたので…いざここに来ると何も言えなくなった。     
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