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大人になればなるほど、素直に表現できない。見栄や安いプライドが、気持ちを抑制してしまう。ある意味、経験からくる自己防衛なのだろうが…。
ただ黙々と仕事をこなす日々。
一時の忙しさからは、解放され仕事も落ち着いた感じ。段々と冬に向けての準備を始める仕事先の人達。人も畑も賑やかさを失っていき始めた。
そんな落ち着きが出始めた時。
訃報が…
仕事先の大事な顧客であり、自分に釣りを教えてくれ、公私共に仲良くさせて貰ってた農家の三代目。
その三代目のお父さんが、事故に遭い亡くなってしまった。
三代目は自分と歳は、あまり変わらない。
その父親が亡くなると言う事は、自分の父親を亡くす事の様なもの。自分の父親もそれなりに歳は取ってはいるが、いざ失うまでは想像できない。
まだまだ元気で、三代目に仕事を教えながら現役でバリバリ働いていたのに。
三代目、大丈夫かな?
早速、会社から手伝いに行く様に言われ急いで三代目の所へ。
お通夜や告別式は、まだ後になる様なので急ぎの手伝いは無かった。
意外に三代目は、落ち着いていた。
「わるいね、マコちゃんまで手伝いに来てくれて。」
「この度は、何て言ったらいいか… 突然で…」
三代目のお父さんにも、良くしてもらってたので…いざここに来ると何も言えなくなった。
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