forming 第1章

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forming 第1章

紅葉が散りはじめ、寂しさを感じさせる季節。冷たい空気が漂い始める秋。紅葉の色鮮やかさに見惚れていたのも束の間、物悲しい気持ちになる晩秋。 季節だけが寂しさを醸し出す訳では無く。 自分の気持ちが、ただ寂しいだけなのかもしれない。 ついこの間までは、あんなに楽しく時間を過ごせていたのに。 自分の勝手な思い過ごしだけなんだろうか?自分が抱いている気持ちを抑えきれないだけなんだろうか? この小さな街に来て初めて、切なさと淋しさを味わった気がする。 何もわからない、誰も知らないこの街に来て素敵な人達に出会い、この街の良さを知りこの街に慣れ、落ち着いてきたのに。 慣れ親しんできたからこそ、寂しさを感じる様になったのだろうか。 そして もっと楽しく、もっと仲良く、という欲が出てきたせいだろうか? 正直、アキさんユウさんの本音が知りたい。 カオリさんともあれ以来会っていない。段々と会うきっかけを見失っている。普通に会えば何て事ないだろうに。 先生(マサユキ)に嫉妬なんだろうか、駄目だな自分は…器が小さくて。カオリさんの事 好きなのに、それすら表現できずに…。     
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