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けれど薄べったい体は一向に女性らしくなっていません。
やはり自分はヘイズのような特別な体ではなく、女性にも男性にもなれない半端な体なのでしょうか。
「クラウディア様、胸が大きくならないのはサン王子の理性のせいでしょう」
ブリザラ姫が何やらうんうんと頷きながら言いますが、なぜサン王子の理性がここで関係するのかわからないグラスです。
それ以上聞こうにも、なんだか恥ずかしいような気がしてグラスは聞くことができませんでした。
お茶会から帰ると、やはりサン王子はグラスを捕まえて甘やかします。
指を絡め、髪を梳く手の優しさはグラスを心地よく包み込みます。
王子の甘やかな眼差しにグラスの胸はドキドキと高鳴るのですが、どうしても聞かずにはいられなくなってしまいました。
「サン王子、む、胸はやはり大きい方がお好みですか?」
サン王子の笑い声が夜通し宮殿に響き渡ったそうでございます。
めでたしめでたし?
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