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「グラス、できないできないばかりで、この婚姻が失敗に終わってもいいのか?
その後の苦労は二百年に及ぶのだぞ!」
「分かりましたよ。やりますよ、やりますよ」
そういうわけで、二人はお忍びの旅に出かけることとなりました。
まず向かったのは雨の国。
年がら年中雨の降るこの国は、若干陰気な空気に沈んでおります。
山の上の雷雲は常にピカピカと光り、時折ゴロゴロと地鳴りのような音を響かせ、それはそれは陰鬱な国です。
それでも街の中心部には、色とりどりの傘が作るアーケードがあり、タイルの上に様々な色を落としております。
「どうやってレイニー姫に会おうか」
サン王子は首をひねります。ここまで来たはいいものの、ノープランのご様子。
「レイニー姫主催のお茶会があるらしいですよ。場所は秘密の雨園……。どこにあるんでしょうねぇ。場所が分かれば、会えるかもしれませんよ」
「ん? それなら子どもの頃母上に連れられて行ったことがあるな。たしか、大きな滝の裏側だった」
「ではこの国の最大の観光名所ヨッテミッテの滝に行ってみましょう」
二人の向かったヨッテミッテの滝は、最大の観光名所という割に、こじんまりとした山奥。確かに迫力はあるのですが、どこか地味目な滝でした。
観光客もまばら。
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