雨が踊る夜に

終わり

ジジ・・。ジジ・・。ジ・・ジ。
「明日は雨が降る予報です。仕事に行く前は傘を持って出かけましょう。」
「以上、天気予報でした。では、次のニュースです。」
テレビを見ていた私は、自分がぼーっとしていたことに今更気づく。
ジジ・・・。ジ・・ジ。
スマホの時計を見る。午後10時。午前０時まであと２時間。
「今日の自分とはもうお別れかあ」心の中で、呟く。自分に言い聞かせているみたい、そう感じて少し笑けて来た。
ジ・・ジ。
さあ、明日の準備をしなくちゃ。だって、明日からはきっと特別な日になるから。
ジ・・。
「ニュース速報です。政府の会見によると、一週間後に地球は爆発します。繰り返します。政府の会見によると、一週間後に地球は爆発します。」
ブツン・・。
テレビが消え、真っ暗な世界の中で、私はスマホのライトを頼りに荷造りをしていた。