第弐章 初めての夏から・・・

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他の選手も互いにハイタッチやグラブタッチを交わしながら集まっていき整列をする。 また聖陵の選手らも黙ったままであるが整列をし互いに礼をする。 ウゥゥゥ~とサイレンが響き試合終了の合図が流れると聖陵の選手らはベンチへと戻り荷物を纏め始める。 誰も何も言わないままベンチを後にし、球場の外で春瀬監督を囲むように並ぶ。 「うん。今日の試合は負けるべくして負けたなお前ら。」 と話す春瀬監督。 誰も何も言わない。 「だが、この負けは次に繋がる負けになる。多くの課題がこの夏で出たと思う。これを乗り切れるか同どうかは、お前ら次第だ。」 と話す春瀬監督に黙ったまま頷く選手ら。 解散となり選手らは帰路へと着いた。 俊哉が自分の部屋に入ると、そこにはマキと明日香がいた。 「あ、トシちゃん」 「おう、マキ・・・」 と元気のない返事をする俊哉にマキも寂しそうにすると明日香は 「負けたわね。久しぶりに」 「あぁ~…中学2年以来かな…公式戦で負けるの…」 と苦笑いを見せながら答える俊哉。 すると、マキは俊哉の目の前に立つと俊哉の頭をポンポンと撫でながら言う。 「泣いても良いんだよ?ね♪」 と言いながらそのまま頭を抱えるように抱き寄せるマキ。     
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