第弐章 初めての夏から・・・

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ミーティングが終わりこの日の練習は終了、解散となる。 教室から出ていく選手たち。 すると竹下が俊哉を呼び止める。 「トシ、ちょっと良いか?」 「ん?何?」 と竹下の元へと近づく俊哉。 竹下は俊哉を真剣な眼差しで見ながら話す。 「明倭戦、お前はどう見た?」 ストレートに聞いてくる竹下に俊哉は少し黙るも口を開いた。 「最初の3点は取れなかったと見て良いかな。あまりにも実力差があり過ぎた。俺も、皆も。ヒデはどう?」 「俺もトシと同じ意見。完全に実力不足、俺自身も結局途中でガス欠でダメだったし、あとは打線だな。土屋相手に無安打だったのが痛い」 と話す俊哉と秀樹。 その話を黙って聞いていた竹下や残っていた選手たち。 今回に関しては誰も文句を言えるものがいなかったのは自分が一番分かっているだろ。 明輝弘もこれには何も言えずにただ黙って聞くしかない。 (俊哉が3安打で俺は無安打、しかも三振が三つ…こんなん認めねぇ) 明輝弘はそのまま立ち上がりカバンを持って教室から出ようとすると竹下が「帰るのか?」と呼び止めると明輝弘は立ち止まり振り返らずに言う。 「あぁ、帰るぜ。俺は自分の成績に納得いかないからな。グダグダ話してる暇あったら素振りをする」 と言い残し教室から出ていく明輝弘。     
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