第弐章 初めての夏から・・・

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冷凍保存されたシーラカンスの前で写真を撮ったり、お土産店でぬいぐるみを手に取ったりと時間をたっぷりと使い楽しむ。 水族館を後にし隣接されたカフェにて小休止をする二人。 飲み物を買い店内の椅子へと座り一呼吸入れる。 「楽しかったね」 「そうですね」 互いに笑顔で話しながら飲み物を口にする。 すると司が俊哉の顔をまじまじと見ながら話しかける。 「その、夏の大会惜しかったですね」 「うん、本当にね・・・力不足かな」 「でも私、感動しました」 「え?」 「だって、あんなスピードのあるスポーツで活躍する俊哉さんを見てたら。凄いんだなぁって思って。今まで見た事無かったから・・・とても感動しました。」 「あ、ありがとう」 顔を赤らめながらお礼を言う俊哉。 ここまで感動してくれたのかと嬉しい反面、面と向かって言われた事で恥ずかしさも出て来たのだ。 また司も自分の言葉に恥ずかしくなったのか顔を赤らめながら下を向いてしまう。 「ご、ごめんなさい。偉そうな事言っちゃって」 「ううん。全然!むしろ凄い嬉しい。ありがとね?」 満遍の笑みを浮かべながら話す俊哉に司も笑顔が溢れる。 小休憩が終わり二人は沼津港を後にし次は駅前にある仲見世通り商店街へと向かう。 本屋に行き雑誌や漫画を見たり、沼津で有名なパンを買い歩き食いをしたりしながら商店街を歩いていく。     
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