第弐章 初めての夏から・・・

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すると明日香がマキに話しかける。 「でもマキ、どうしていきなり遊びに誘ったのよ?」 「だって・・・」 明日香の質問にマキは何処か寂しそうな表情を見せながら俊哉をチラッと見る。 「最近夏の大会とかでトシちゃんと遊ぶ時間無かったし・・・」 と話すマキに俊哉と明日香は“あ?”と理解した。 中学の頃は良くこの三人で遊んでいた。 だが、高校に入り俊哉は野球部、マキと明日香はソフトボール部に入部すると忙しくなるとともに友人も増えて来ては、自然と新しい友人との遊びに行くのが増えて行ったのだ。 「こうして無理にでも誘わないとさ、遊びに行けないと思って・・・」 寂しそうにしながらジュースを飲むマキ。 俊哉はそんなマキを見て笑いながら話す。 「そう言う事なら言ってくれれば良いのに」 「そうよマキ。私たち逃げないわよ?」 と話す二人にマキは少し笑顔になる。 「そうだよね・・・ゴメンゴメン?さぁ行こう!!」 ジュースを飲み干し立ち上がるマキ。 俊哉と明日香もやれやれといった表情をしながら立ち上がり次の目的地へと向かう。 スマフォで探しながら話をする俊哉と明日香。 そんな二人の後ろを歩くマキは、俊哉を見つめる。 (確かに余り遊べなくなったって言うのもそうだけど・・・私は・・・)     
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