第零章 はじまりのはじまり

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プロローグ 青い空が広がりを見せるとある夏の日。 明治神宮野球場ではひときわ大きな歓声が響いていた。 「あとひとつだ!」 そうセンターの位置を守っている選手がマウンドの投手に激を飛ばす。 投手は帽子を取りぐいっと汗を拭うと、ニッと笑みを浮かべる。 投手が振りかぶると球場に静寂が走り、右腕から白球が放たれると打者はフルスイング。 ギィンと鈍い音が鳴り響くと打球はフワッとセンター方向へと舞い上がり先ほど激を飛ばした選手が一歩二歩と前に進みガッチリと捕球した。 その瞬間、投手はマウンド上で大きく両手を突き上げるようにガッツポーズしグラウンドにいた他の選手やベンチの選手らも喜びを体いっぱいに表しながら投手の元へと集まり人差し指を立て1の指文字を作りながら高々とその腕を突き上げていく。 最後に来たのは打球を捕球したセンターの選手。 彼の手にはボールが握られておりマウンドで投げていた投手に手渡す。 「はいウイニングボール」 「ありがと。でも、これはトシが持ってなよ。最後に捕球したのは君だろ?」 と笑顔で受け取ったボールを返す選手に、トシと言われた選手はキョトンとしながらも返されたボールを手にし、ニンマリと大きな笑みを浮かべる。 「ありがとう」 その一言を発し歓喜の輪へと入っていく青年。 こうして彼のとある夏は終わりを告げたが、彼にとっての…いや彼らにとっての夏はまだ完全に終わってはいない。 これから彼らの物語が始まりの第1歩が踏み出そうとしている。 ある者らは己の力をさらに向上させるために、そしてまたある者は己の夢をかなえるために。 各々が決めた道へと歩き出すサイレンが、今ここに鳴り響こうとしているのであった。 そしてまた集うであろう、この大きく広がる青色の下で・・・。 Playball~
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