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「藤枝シニアの、望月だよね?」
「そういうお前は、静岡シニアの横山か?!」
ほぼ同時に声をかける俊哉とその望月と呼ばれた生徒。
後からついてきた竹下と山本も望月と呼ばれた生徒を見るなり俊哉と同じように驚きながら話す。
「うお!?なんでいんだよ」
「望月秀樹か、コイツは驚いたな」
竹下と山本が順番に話すと望月も二人の顔を見て驚きを隠せずにはいられなかった。
「竹下に・・・えっと・・・誰だっけ?」
「おい!山本だよ!山本寛史!」
「あ・・・スマン知らん」
「おい!」
竹下、俊哉に対してと同様に同じツッコミを入れる山本。
すると隣にいた俊哉が山本を見ながら呟く。
「あ、そういや山本って名前だっけ?」
「おい俊哉!おい!?」
茶番を行う中、俊哉は望月秀樹と呼ばれた生徒を見ながら少し興奮気味に話す。
「ってか、なんで望月がいんの?俺てっきり明倭に行くかと思ってた」
「俺こそ横山は明倭かと・・・」
互いに驚きを隠せずに話す俊哉と望月秀樹(以降より秀樹)
しかし、俊哉は嬉しかった。
この望月秀樹という生徒は中学時代地区予選で何度も対戦のしたことがある投手である。
彼には俊哉らのチームも結構苦しめられており好敵手である。
「理由はよくわからないけど、でも望月がいてくれれば百人力だよ」
「いや、俺もまさか横山と一緒に野球するとは思わなかったぜ・・・よろしく頼む」
ガッチリと握手を交わす俊哉と秀樹。
そしていよいよ来週には部活動が本格的に始まり、他のまだ見ぬ野球部の仲間と共に駆け出していく。
時を同じくして、駅へ向かうバスの中。
ガタンガタンと揺れるバスの席ではガッチリとした体格で身長の高い恐らくスポーツをやっているであろう聖陵の生徒が毎週月曜販売の週刊マンガ雑誌をパラパラと読んでいた。
「はぁ、これで何週目だよ・・・早く来週にならんかね」
パタンと雑誌を閉じため息をつきながら呟く生徒。
雑誌をカバンにしまおうとすると中から部活動入部届が出てくると、その生徒は入部届の紙を見ながら再び呟いた。
「部活か・・・めんどくせぇな」
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